ここでは国土交通省・観光庁がおこなうGoToキャンペーンの開始日や金額などの仕組みについて分かりやすくご紹介しています。
なお、GoToキャンペーンには
- 「トラベル(旅行)」
- 「イート(飲食)」
- 「イベント」
- 「商店街」
といった4つの分野が含まれますが、この記事でご覧いただくのは「GoToトラベルキャンペーン」のことです。(以下GoToキャンペーン=GoToトラベルキャンペーン)
GoToキャンペーンの目的は新型コロナウイルスの影響によって消費が落ち込む観光業界への支援、また経済活動の復興となっています。
GoToキャンペーンの開催期間中は「誰でも、何泊でも」その旅行代金が割引となりますので、ぜひとも賢く利用したいところです。
しかし、中には「ニュースでは聞いたことがあるけど、実際にどれくらいお得なの?」「いつから利用できるの?」といった疑問もあります。
そんな人のためにGoToキャンペーンに関する正しい情報や「知らないと実は損をする情報」などを説明していきますので、ぜひ最後までご覧になっていってください。
GoToキャンペーンの開始日・金額上限について
GoToキャンペーンというのは、簡単に言えば「旅行の費用を半分負担してくれる」という旅行代金還付制度のことです。
新型コロナウイルスの影響で外国人観光客が激減した観光地、また国内全体の消費の落ち込みを救済するために作られた制度となります。
GoToキャンペーンって何?
GoToキャンペーンには「トラベル(旅行)」「イート(飲食)」「イベント」「商店街」という4つの分野が含まれています。
- GoToトラベルキャンペーン:旅行代金の最大5割を負担(上限あり)
- GoToイートキャンペーン:飲食代金へのポイント付与、登録店利用でのプレミアム付食事券(2割相当)
- GoToイベントキャンペーン:イベントチケット代金の2割負担
- GoTo商店街キャンペーン:地域商店街のプロモーション支援など
このうち、この記事でご紹介しているのは多くの人から注目を集めているGoToトラベルキャンペーンです。
観光地への集客を目的とした支援制度ですので、国内旅行であればどこでも適用されるというのが大きなポイントとなっています。
また、宿泊のみならず日帰り旅行にも適用されるというのが魅力的な部分と言えるでしょう。
しかし、GoToキャンペーンにはちょっと分かりづらいところもありますので、次にGoToキャンペーンに関する基礎的な知識をご紹介していきたいと思います。
GoToキャンペーンの内容(開始日・金額上限など)
まずはGoToキャンペーンに関する基礎的な情報をご覧ください。
GoToキャンペーンの開始日・期間・上限額など | |
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開始日 | 7月22日以降に予約されている旅行に対して適用される ※ただし、旅行会社などを経由して予約する際の旅行商品販売は7月27日以降から(事業者・宿泊先などによって異なる) |
期間 | 2020年7月22日~2021年春先を予定 |
上限額 | 観光庁側が負担するのは旅行代金の5割まで(上限額は2万円) ※ただし、5割負担のうち70%が旅行代金への還付。残り3割は地域共通クーポンを発行 ※地域共通クーポンの発行は9月1日以降(未定) ※日帰り旅行に関しては上限額が1万円 |
上限回数 | 回数に上限はなし(連泊も可能) |
対象旅行 | 国内旅行のみ(海外への旅行、また海外から日本への旅行は対象外) |
参考:観光庁HP「Go To トラベル事業 よくあるご質問(FAQ)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001353146.pdf
なお、こちらの情報は観光庁より2020年7月13日付で発表されたものを基にしています。
未定となっている部分もありますので、常に最新の情報をチェックしておくようにしましょう。
ちなみに、一番気になるのはやはり割引される旅行代金に関することですよね。
しかし、このキャンペーンによる割引額には知っておくべきポイントがあります。
それが「実際に旅行代金が半額になるのは9月から」という点です。
そこで、次の情報をぜひチェックしておいてください。
GoToキャンペーンでの「旅行代金が半額になる」は9月以降から
ニュースを見ていると「GoToキャンペーンを利用すると旅行代金が半額になる」といったイメージがありますが、それは半分間違いです。
【GoToキャンペーンに関する正しい認識】
- 「①旅行代金の半額×70%」相当の金額が割引(還付)される
- 「②旅行代金の半額×30%」相当の金額が地域共通クーポンとして発行される
- ただし、地域共通クーポンは該当旅行中のみ利用可能
- 地域共通クーポンが発行されるのは9月1日以降だが未定
- つまり9月以前の旅行ではクーポンが発行されないので、割引されるのは①のみ
さらに、割引される上限額も9月以前と9月以降では異なります。
9月1日以前の割引代金上限額 | 14,000円 (内訳は旅行代金14,000円のみ) |
9月1日以降の割引代金上限額 | 2万円 (内訳は旅行代金:14,000円、地域共通クーポン:6,000円) |
つまり2020年9月1日以前に旅行へ訪れる場合は、半額負担にはならないということです。
なお、9月以前の支援金が半額以下に減ることに関して、観光庁も公式に「旅行代金割引の先行実施期間に関して、その支援額は旅行代金の35%」と明記しています。
そのため9月以前・以降において「仮に1泊4万円の旅行プランを利用する場合」は、以下のような考え方・計算方法となります。
例)9月以前に4万円の旅行プランを利用(宿泊費・交通費込み)
4万円÷半額=2万円 → 2万円×70%=14,000円(割引額) → 4万円-14,000円=26,000円(自己負担)
例)9月以降に4万円の旅行プランを利用(宿泊費・交通費込み)
4万円÷半額=2万円 → 2万円×70%=14,000円(割引額) → 4万円-14,000円=26,000円(自己負担) → ただし「2万円×30%=6,000円(クーポン)」が貰えるので、実質的な負担は2万円に
ご覧のように宿泊や交通に掛かる自己負担金というのは変わりませんが、プラスで貰えるクーポン金額によって実質的な旅行代金が減るというのがGoToキャンペーンの正しい考え方です。
次にGoToキャンペーンで割引となる対象旅行商品について見ていきます。
GoToキャンペーンの対象となる旅行商品について
GoToキャンペーンで割引の対象となるのは、前提として国内旅行のみです。
また、以下の内容に沿った料金が割引対象となります。
【GoToキャンペーン対象旅行(宿泊)】
- 交通機関とセットになった旅行パック料金(旅行代理店経由)
- 宿泊先へ直接予約をして泊まる際の料金(直接予約)
- 修学旅行や職場旅行などの団体旅行料金(旅行代理店・直接予約の両方が可)
- クルーズ、夜行フェリー、寝台列車など宿泊に準ずるものの料金(旅行代理店・直接予約の両方が可)
【GoToキャンペーン対象旅行(日帰り)】
- 往復の交通費+温泉代や旅先でのアクティビティ料金(旅行代理店経由)
覚えておきたい点を分かりやすくまとめますと「旅行代理店を経由しての旅行であれば、交通費も割引対象となる」ということです。
宿泊先に直接連絡をして予約をした場合は、交通費が割引対象になりませんので自己負担となります。
そのため、GoToキャンペーンを利用するなら確実に旅行代理店を使った方が良いということですね。
ちなみに旅行代理店を通した場合、割引されるお金は以下のように扱われます。
例)旅行代理店を通して1泊2万円の旅行プランを利用
2万円÷半額=1万円 → 1万円×70%=7,000円(割引額) → 2万円-7,000円=13,000円(旅行代理店に支払う) → 1万円×30%=3,000円(クーポン)を旅行代理店から貰う
このように、旅行代理店がGoToキャンペーン分のお金を管理してくれるので楽という部分もメリットのひとつです。
しかし、中には旅行代理店を通さないで旅行をしたいという人もいるかもしれません。
そこで、自分でGoToキャンペーンの割引額を還付するための申請方法も見ておきましょう。
GoToキャンペーンはどうやって申請する?
直接宿泊先を予約した場合、GoToキャンペーンによって還付されるお金は自分で申請を出して振り込んでもらうことになります。
なお、申請方法は郵送とオンラインの2つです。
まだ事務局が正式に立ち上がっていないのですが、観光庁からの発表では還付申請には以下の書類が必要としています。
【GoToキャンペーンの還付金申請書類】
- 申請書(様式は事務局ホームページ・宿泊施設等で入手)
- 領収書(原本)
- 宿泊証明書(宿泊時に宿泊施設から入手)
- 個人情報同意書(様式は事務局ホームページ・宿泊施設等で入手)
正直、かなり手間が掛かるのでやはり旅行代理店を経由した方が楽と言えますね。
ただ、すでに個人的に宿を予約してしまった方などにとっては有益な情報ですので、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに7月22日以前に予約をした旅行でも、7月22日以降の宿泊であればキャンペーン対象内となります。
ということで、次に割引(還付)される旅行代金以外に重要となる「地域共通クーポン」に関する情報を見ていきましょう。
GoToキャンペーンの地域共通クーポンについて
旅行代金の半額×70%が割引(還付)されるGoToキャンペーンですが、残りの30%に該当する地域共通クーポンの存在も非常に大きいです。
そこで、この地域共通クーポンに関する正しい情報をご覧いただきたいと思います。
GoToキャンペーンの地域共通クーポン開始日は?
2020年7月22日以降の旅行に対して旅行代金が割引となるGoToキャンペーンですが、その中に含まれる「地域共通クーポン」が発行され始めるのは「9月1日以降(正式開始日は未定)」となっています。
そのため、7月と8月の旅行では地域共通クーポンというものが発行されません。
このことはあらかじめしっかり把握しておきましょう。
GoToキャンペーンの地域共通クーポンが使えるお店・使えないお店は?
地域共通クーポンは、対象旅行中に訪れた地域の
- 飲食店
- 土産物屋
- 交通機関
- 観光施設
で使えるとされています。
ただし、これらはすべて「地域共通クーポン加盟店に限る」といった条件が出されていますので注意が必要です。
この点に関しては現在調整中とのことですが、おそらく交通機関や観光施設といった場所はほぼすべてが加盟店扱いになることが予想されます。
しかし、小さな飲食店や土産物屋などの場合は加盟店申請をしていない可能性もあるわけですね。
そのため、地域共通クーポンを実際に利用する際には現地での加盟店登録状況を知っておく必要があります。
というのも、この地域共通クーポンは「該当の旅行中・キャンペーン対象旅行先」でしか使えません。
つまりその旅行中に使わなかったとしたら無駄なお金になりますので、旅行を企画する段階から地域共通クーポンが使えるお店を調べておいた方がいいということです。
とは言え、クーポンが使えるようになる9月1日以降までの間に加盟店も増え、旅行代理店もその状況を把握しているかと思います。
旅行を予約する際に旅行代理店に話を聞けば、ある程度は地域共通クーポンを上手く使える方法・場所などを教えてくれるはずですので、そちらでもぜひ話を聞いてみてください。
GoToキャンペーンをお得に活用する方法について
ここまで、GoToキャンペーンに関する基本的な情報や知っておくべき知識をご紹介してきました。
それらをまとめた上で、最後にGoToキャンペーンを賢くお得に活用する方法について解説していきたいと思います。
GoToキャンペーンを使うなら9月以降がお得!
これまでにもご覧いただいたように、GoToキャンペーンを利用するなら9月以降が絶対的にお得です。
地域共通クーポンが発行されれば旅行先での飲食費や交通費などに使えますので、現地で支払うことになるお金が節約できます。
また、8月はいわゆる繁忙期と言われる時期ですので宿泊料金も高く設定されています。
「8月なので通常より少し高い4万円に設定されている普通の部屋」に泊まるより、「9月に通常料金4万円のグレード高めの部屋」に泊まった方がお得感がありますよね。
しかも繁忙期以外の方が人も少なく、交通機関や観光施設も密集せずに済みます。
こうしたことからも、「安全で経済的な旅行」を楽しむのであれば9月以降にした方がいいわけです。
GoToキャンペーンは連泊も可!長期休暇に使うのがお得!
GoToキャンペーンは連泊にも対応していて、宿泊した日数分だけ割引がされるようになっています。
そのため、長期休暇などを利用して2泊以上の旅行へ行った方が確実にお得です。
旅行代理店で提供されている旅行プランの中には、長く滞在することで割引価格となるものもありますので、GoToキャンペーンと合わせて利用すればかなりの金額が割引されることになります。
しかも連泊すればするほど地域共通クーポンも多く貰えますので、現地での遊び代を節約したい方にもおすすめです。
ぜひ、こうした情報を理解した上で、賢くGoToキャンペーンを活用してみてください。
総括
2020年7月22日以降から適用されるGoToキャンペーンについてご紹介してきました。
本文中では9月以降の利用をおすすめしていますが「旅行代金の35%でも負担してくれるならありがたい」という人もいるかもしれませんし、「何回でも適用されるなら7月や8月も旅行に行こう」という人もいるかと思います。
もちろんそれも間違いではありませんので、自分のお財布と相談しながら旅行の計画を立ててみてください。
ただし、いずれにせよ旅行代理店を通した方が楽ですし便利なので、そちらについてはぜひ参考にしてもらえればと思います。